大御所俳優 大徳寺豪

「どういうことだ」
大御所の俳優大徳寺豪は、マネージャーの橋田に怒鳴りつけていた

「視聴率下がってますから、何とかしなくちゃいけないって事なん
ですよ」
怒鳴られなれているといったように、大徳寺の音量とは明らかに違
うトーンで橋田は答えた。
「そんな事は私のせいじゃないだろう。それに、それと降板とどう
つながるんだ」
再び怒鳴るようにはき捨てた。
「鳴り物入りでスタートしたドラマなんですよ。局も力を入れてい
ました。最初は、視聴率も20%以上で好調だったんですけど、最
近は一桁ですよ。打ち切りでもおかしくない状態です」
橋田の冷静な分析に大徳寺はさらにいらいらとした。
「そんな事はわかっている。私が何年この世界にいると思っている
んだ。どんなにいい物を作っていても、視聴率が悪ければダメだと
いうことは君に言われるまでもなくわかっていることだ。テコ入れ
をするのは当然だし、出演者をかえるというのも必要な方法だ」
大徳寺は自分ひとりで興奮しているみたいでバカバカしくなり怒鳴
り口調は押さえて言った。
「しかしそれがどうして私なんだ」
再び怒りがこみ上げてきた。
「主役の私がどうして降板せにゃならんのだ」
大徳寺は一番の大声を上げた。
橋田もさすがにちょっと動揺した様子を見せてた。
「まだ決まったわけじゃありません。誰かが降板するということは
どうやら本当らしいのですが・・・」
「私を誰だと思っているんだ、ふざけるのもいい加減にしろ」
大徳寺は橋田の言葉などまったく聴いていなかった。
「勿論そんな事はわかっています。大徳寺豪といえば、日本か誇る
俳優です。」
なんとかなだめようとする橋田だが無理だと悟ったようだった。そ
してこうつぶやいた。
「そもそも、主役じゃないですけどね・・・」

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